Wednesday, October 12, 2011

博多→鹿児島キャノンボール 自転車で約311km

午前2時を少し過ぎたあたりで、出発地点の博多駅に到着します。時間調整に失敗して、仮眠が4時間だったのが気がかりです。鼻の調子もおかしく、鼻水がとまりません。しかし、すべてが最高の状況でスタートというのは夢物語ですので、風邪薬と花粉症の薬、栄養ドリンクを飲んで状況に対処します。

前日の、マキノ・カーボローディング。大事なことです。


出発までに写真撮影とナビの設定で博多駅まわりをうろうろして、時間をロスしてみたりして。

出発して最初のコンビニでトイレを借りる。おなかのちょうしがよくないでござる。補給食のかしわめしとハンドクリームを忘れていたので購入しました。またずれ対策や、後半にふらついて草の中に突っ込んだりしてできた軽い擦過傷のダメージに役立ちました。乾燥対策で鼻にも塗ります。目尻などにも使えます。

走行中に小雨がふってきます。コンビニで雨宿りしつつ補給食を。おもに塩の多いもので胃もたれしないものを選択します。胸焼け対策で胃薬も4袋もってきていましたが、使用しても胸焼けになやまされることになります。ミニようかんを三本もっていっていましたが、一本を食べたところでようかん胸焼けで苦しむ事に。

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玉名 コンビニ雨宿り だめぽ
玉名で、少し本格的に雨が振ってきました。以前も雨だったなあ、上がってもロードコンディションが悪いよなあ、もう諦めて帰っちゃおうっかなー、とあきらめモードでした。しかし、300kmに挑む機会はそうそうありません。かといって、雨の中を無理して走って転倒して大ダメージを負えば、次の機会どころではなくなります。

しばらく、「ちかばの温泉」「入浴」「地元の名物料理」「就寝」などという危険な単語が脳内に浮かんでいました。

「コンビニ カッパ購入 リスタート」

しかし、此処で降りるはないな! ということで、雨宿りをしていたコンビニの中をうかがっていると、背中に通気窓のついたレインコートが売られていることを発見します。購入、走行再開です。

玉名の山にある田んぼで、わらが干されています。走行再開をしたまではいいものの、雨で路面の状況が悪く、さらに登りで体力を消耗していきます。勢い、写真撮影をおこなうという名目でペダルを漕ぐ足を止めてしまいます。

しばし、現実逃避。わらってことは、わらの先についていたのは新米、新米、ごはん、温泉旅館、塩サンマ……あれ? けっこう心が折れてまへん?

そこから峠を越えたあたりから八代までは調子がよく走ることができました。後輪に巻き上げられて背中に跳ねる雨はカッパで防御できます。ただ、コンビニ売りのカッパに蒸気透過性などというものは期待できず、サイクルジャージは発汗でどうしようもなく濡れています。これで体が冷えると不味いよなあと思っていたら、案の定、鼻の奥が痛みはじめます。これは走るまえからですが左後頭部にあった頭痛も強くなってきます。そういえば、イブプロフェンや解熱系の薬は用意してないんだよなあとぼやきながら、持ってきていた風邪薬を、自販機で購入したCCレモン350ml缶で嚥下して、だましだまし走るモードになります。


日奈久 - Google 検索
八代を過ぎて、温泉街の日奈久に到着します。ここで謎の体調不良が風邪じゃないかもということがわかります。日奈久温泉には、山頭火のレリーフが彫られた石像があり、その石像の前に飲める温泉が湧き出しています。ここで、温泉のお湯をボトルに汲むためにフタを外すと、ボトルのなかに少しカビが生えていました。こ、この頭痛と悪寒と謎の体調不良は、黒カビの毒素が原因やも。

飲む温泉 - Google 検索
一度、ボトルの中身を全て棄てて、温泉のお湯で洗える範囲を洗います。あと、飲む温泉は腹痛にも良いだろうということで、温泉のお湯をがぶ飲みします。腹痛は出ていなかったが救いです。

山頭火まえでもう1枚。今度は泊まりに来たいものです。いや、日帰りでもいいかなあ。

時間的に見て、12時間切りは絶望的になっていたので、心理的には逆に余裕が生まれていました。ちょっとだけ、温泉街を散策します。以前に来ていた時には食べることにできなかった、日奈久のちくわを食べたかったのです。



日奈久のちくわ - Google 検索
折良く、ばら売りのちくわ焼きたての店を発見することができました。胸焼けはしていましたが、ちくわなら、ちくわならきっとなんとかなる! そういう気合いで食べました。砂糖が入っていないので、胸焼け悪化はありませんでした。温泉のお湯を効いたかもしれません。ここで、やく150km経過で、約半分ほどです。

廃墟となっているちくわセンターを越えて、また峠越え、トンネル抜けがはじまります。合間の田んぼでは藁が干されています。かわらない風景です。

写真撮影の余裕も消えてきていますが、新水俣駅に到着します。この手前で、ぼちぼち旅装備のランドナーを一台追い抜きましたが、なんらかの機材トラブルか停止されていましたが、こちらにもすでに余裕はなく、手持ちのトラブル補修材料もイージーパッチしかないため、さくっとパスしました。

天水 みかん - Google 検索
天水のみかん畑のある山は、ルートの都合で通過できませんでした。しかし、別のみかん畑の横を通ることはできました。以前に来たときは、みかんは色づいていませんでしたが、いまは、まさにミカン色になろうとしています。

みかん。こたつ。みかん。ジュース。えひーめ。いっこぐらいもぎってもばちはあたらねーぜー。等と考えつつ、いつか食べようと決意してペダルを漕ぐわけです。ミカンは出荷用でたくさん植えられていましたが、まれに見る柿の木は、たぶん自家用なんだろうなと思いつつペダルを踏むのです。だんだん、集中力がなくなってきている証拠でもあります。

このあとか先かすでに記憶がないのですが、水俣の道の駅近くのうどん屋でカレーライスを食べました。ほんとは塩分補給のためにラーメンが食べたかったのですが、道の左にラーメン屋が無かったという。道の右側にはありました。でも、なぜか道を渡る気にならなかったのです。

けっきょく、うどん屋でカレーライスという、もう、判断力が完全にかき消えていることになりました。後から考えると、コンビニでカップラーメンを購入してお湯を貰って休憩も兼ねれば良かったわけです。ただ、コンビニでカップ麺だと、休憩を長めに取ろうとした際にくろうすることになります。うどん屋では、北斗の拳のケンシロウがシンを倒す巻を見たりして。風邪薬と胃薬も飲んで休憩という感じです。

この大和うどんで、カッパ脱ぐ事ができました。内側は汗でずぶ濡れという感じでしたが、走行しているうちに乾いていきます。けっこう時間かかりますけど。

水俣 大和うどん - Google 検索
確認すると、このお店でした。最寄りは道の駅ではなく、水俣広域公園でした。大和うどんのトイレは店の外で、トイレ目的なら水俣広域公園のトイレの方が綺麗です。大和うどんの最大の利点は、店の窓が駐車場側は全面ガラス張りで、店もせまいために、自転車を駐輪して、自分で監視しつつ食事が取れるところです。なにかあれば、即、店の外に行く事ができます。

これも後から気がつきましたが、道の右側で見かけたラーメン屋は、自転車を監視して食事ができるという条件を満たしていませんでした。休憩を長めにとる場合は、重要なポイントになります。

出水(いずみ)のコンビニでトトーロ。いいのか。何も買わずに再出発しました。すでに、いろいろと胃が受け付けなくなっています。(カレー食うからだろ!)

サンクス 川内湯田 - Google マップ
薩摩川内入りして、コンビニで重装備のツーリング車を見かけました。

思わず、寄って撮影。後輪にもブロックダイナモがあります。

薩摩川内までは来た事がありましたが、そこから先は未踏の領域でした。薩摩川内から鹿児島中央駅までは50km少しあります。U-37では、到着予想時間が出るのですが、薩摩川内を過ぎた時点で、あと3時間ぐらいの表示でした。

いやいや、平均時速約25kmで来ているんだから、あと50kmなら、2時間ちょいでしょ! と、思っていたのですが、薩摩川内から鹿児島中央まではアップダウンが繰り返されており、ナビのバッテリーが切れかけていたので外部バッテリーから充電しないといけない、でも、下りで速度をだすと路面の振動で充電用のUSB機器の充電ケーブルが抜ける。テープとかもってない。そんな状況になっていたので、せっかく登りをクリアして下りで速度を出そうとしても速度が出せずに、時間がどんどん過ぎていきます。

途中の峠でボトルの水が切れかかり、さらには自販機も見あたらないという事態になっていました。峠途中で流し台と散水栓が家の外にある民家を見かけて、そこから出てきて犬の散歩に出かけようとしていたおばあさんに頼んで、水を分けてもらいました。で、ちょっとだけ話をしたのですが、放言が強すぎて、なにを言っているのか理解できないということに。

だいたいここらへんだろう、そんな感じで会話を成立させて、お礼を言ってわかれました。

で、途中から記憶があいまいになっていながらも、鹿児島中央駅に到着です。

311.9km。走行時間は14時間28分。家から博多駅まで入れると、一日で344kmぐらい走りましたので、一日200マイルも自動的に達成しています。消費カロリーも半端ありません。家に帰って体重を量ると、しろくまを食べてさらに新幹線で紙パック牛乳190mlと緑茶500mlを飲んでいたにも関わらず、2kgぐらい減っていました。

鹿児島中央駅の時点で、サイコンだと13時間ちょい。12時間は無理と分かったので、時間的なことを気にせず、安全到着を優先できたのかえってよかったです。雨がふっていなくても、東京大阪キャノンボールとは違い、風向きが峠と山で乱れるので、追い風だけというのは難しい感じです。全体の行程で市街地通過が多めなのも難しいところ。熊本市内を抜けるよりは、距離的には長くなるけれど天水に抜けた方がよかったかもしれません。景色も綺麗だし。それか深夜か早朝に熊本市内を抜けるようにするか。

走行距離は約330km。

しろくまを食べられるところを、道行く人に聞いて、鹿児島中央駅横のアミュプラザの地下一階で食べることができると知りました。お土産は、駅の二階で購入できることも判明。

それが分かって、あと、桜島をちらっとでも見たい、途中でも少しみたけど写真を撮りたい。そんなわけで、鹿児島市内をうろうろするのですが……道がよくわかりません。

あと、桜島というと、鹿児島市内から、どこからでもドーンとでっかく見えるだろぐらいに思っていたら、ビルが高くてまったく見通せないという。

フェリー乗り場からなら見られるだろうということで、フェリー乗り場をナビで検索して、なんとか写真が撮れる位置まできました。

まあ、また来た時にもで、桜島一周は行えばいいかー、そ、その時は、行きも帰りも輪行でおねがいしたいにゃー。

鹿児島市内の路面電車駅と百貨店。鹿児島に路面電車が走っていたのは知りませんでした。

道のあちこちには、桜島の噴火で振ってきたであろう灰がたまっています。初めて見ました。

しろくま。ふわっとして最高にあまあまです。疲れた体に染み渡ります。もう、記憶が飛び飛びになってきているという。

総評としては、ナビが無かったら、鹿児島市内で迷っていたと思います。ナビ無しで挑まずに良かった。あと、外部バッテリーからの給電用にケーブルを固定するテープなどを持って行っていれば良かった。ロブは飲まずに済みました。脳内麻薬は偉大です。

祝!九州 九州新幹線全線開CM180秒 - YouTube
帰りは、新幹線みずほで。この歌を口ずさみながら夜景を見ていました。

【タイトル】博多→鹿児島キャノンボール
【日時】 2011年10月11日(火)
【天候】 晴れ、途中で雨のち曇り
【車種、車名】 2011 GIANT DEFY 1
【走行距離】 キャノンボール部分は約311km 全体走行距離は344km
【走行経路】 博多駅から主に3号線を使用して鹿児島中央駅まで平坦路優先
【総所要時間】14時間半(休憩や停車を含む経過時間)
【乗車時間】13時間半ぐらい(休憩や停車を除く経過時間。サイコンのAUTOモードでの経過時間)
【平均時速】約22km
【カロリ消費量】 9845Kcal
【補給】おにぎり4個、350ml CCレモン 2本、緑茶350ml缶 2本、牛乳500ml 1パック、500ml天然水 1本、190ml紅茶 1本、カレーライス(サラダ付き)、分けて貰った井戸水 750ml一本と蛇口からがぶ飲み、カバヤ塩タブレット半袋、ミニようかん 1本、粉末ポカリ 2袋、日奈久ちくわ 1本、SOYJOY 2本、胃薬 3袋、風邪薬 3袋、ハムマヨサンドイッチ、ほか飴玉数個、忘れていますが、あと何か軽いモノを食べたかもしれません。

【感想】 300km越えは3回目です。おもに平坦路を選択してロングライドしましたが、距離が長いために獲得標高は1000mぐらいはあったと思います。3号線のトンネルが大敵でした。トラック交通量も多かったため、終了後は鼻の中にティッシュを突っ込んでぐりぐりすると真っ黒でした。マスクは必要だったと思います。桜島が噴火していたら全てが終わっていました。

左右共に膝の痛みがでてくることは分かっていたので、フェルビナク3%配合のチューブ入り痛み止めと、処方薬のロブをいざというときのために数錠持って行っていました。チューブ入りの痛み止めは大活躍しました。終盤では、脳内麻薬がえまくっていたので、痛みは認識できるけど、ペダリングの妨げにはなりませんでした。ただ、「ああ、明日以降、ひどいことになるんだろうなあ……」と思いながらペダルを漕いでいた予感は大当たりで、いまだによれよれ歩きです。右のふくらはぎも状態わるめ。