Saturday, February 02, 2008

雄牛と熊と欲豚と 外貨預金のわな

J-CASTニュース : 苦情あっても中止できない理由 銀行の外貨預金キャンペーン
http://www.j-cast.com/2008/02/02016099.html
「1ドル100円割れ目前。いまそこ円安期待で、むしろチェンス」(地銀幹部)

むしろチェンス。まだ慌てる時間じゃありません。それはそれとして、
1000米ドル(約11万円)以上の預け入れで「年5%」(期間3か月)で運用します――こんな謳い文句でボーナス資金を取り込んでいる外貨預金キャンペーン。「年5%」の表示でも運用期間は3か月だから、キャンペーンのスタート直後に預け入れたお客はそろそろ「満期」を迎える。1000米ドルを預けて、満期で得られる利息は10ドル(約1100円、税引き後)だが、これをいま円に換えようとすれば、円高による為替差損と為替手数料で、利息など吹っ飛んでしまう。

クレームを持ち込むお客に対して銀行は、「いま現金化すれば損を確定することになるので、当分そっとしておく」ことを勧めている。満期日後は年0.5%前後の金利になるが、円安になるまで「塩漬け」にしておくしかないわけだ。

キャンペーンだと強制円転がセットの場合も多いので、塩漬け可能ならまだましなところです。

ところで、さらっと書いてあって、慣れると完全に無視してしまい、慣れてないと「おお」っと思って引っかかってしまう外貨定期預金の金利表示のわながあります。

『1000米ドル(約11万円)以上の預け入れで「年5%」(期間3か月)で運用します』
とくると、
『1000米ドルが年5%だから、一年後には1050米ドル?』
3か月って書いてあるのをスルーして見事にカモ撃ちされるとこうなります。3か月後に約1.25%(年利5%の三ヶ月分)の金利がついておしまいです。一年預ける場合は、3か月後はキャンペーン終了なので

満期日後は年0.5%前後の金利になるが、円安になるまで「塩漬け」にしておくしかないわけだ。

はい、3ヶ月経過しており、一年の残りは9ヶ月なので、預ける期間が全部で一年なら、年利0.5%の9ヶ月分で約0.35%の金利がキャンペーン終了後の9ヶ月にプラスされます。

なお、キャンペーン終了後に円貨で決済、つまり、強制円転の場合だと、ネット銀行でない普通の窓口のある銀行の場合は為替手数料が片道0.5-1円なので、為替差損を喰らった上に、さらに為替手数料0.5-1円分が上乗せされてさっぴかれます。

なにがなんでも外貨定期預金をしなくてはならない、つきあいでやる必要がある、銀行の窓口で執拗にすすめられて「昆布雷安酢」の呪文も効果が無かった場合に、いやいやながら外貨定期預金をする場合でも、すくなくとも、外貨定期預金キャンペーン終了後には、外貨普通預金口座に入金されるものを選ぶべきです。

損したら塩漬けにできます。ほんと、しょっぱいですけど。

外貨預金、外貨MMF⇔外国債券について語る14
みんなチェンスと判断。