Monday, April 09, 2007

ヘッジホッグ バートン・ビッグス (著), 望月 衛 (翻訳)

ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たちを流して読了。ヘッジホッグは針鼠の意味もあるけれど、ヘッジファンド + ホッグ で、ヘッジファンドと欲豚の意味も持ち合わせています。副題の「アブない金融錬金術師たち」というのは単なる煽りだったようです。原題は「HedgeHogging

内容の方は、ヘッジファンドの中の人達のお話です。どこにでもある人間くさい話がメインで、金主からの激しいプレッシャー、ファンド内部での法令遵守だのの管理部門が利益を削っているというお話や、ベンチマークに勝つことの困難さ、立ち上げ間もなく消え失せるヘッジファンドの多さなどが語られています。

金主である機関投資家のひとりとしてイェール大学CFOのデイビッド・スウェンセンも出てきました。元祖ヘッジファンドとしてのアダム・スミスも一章を割いて取り上げられていたり、バリュー投資家をゲテもの好きの打たれると喜ぶ特殊性癖者とでも言わんばかりウゲッポと評したりもしています。短編SF小説のような未来の新聞を見ることが出来る運用者の話もでてきて、全体としてバランスが取れ、読み物としても面白く仕上げてありました。


小口の個人投資家が投資する場合への助言として、市場平均に連動するインデックスファンドを薦めるのは常道だったのですが、「Vanguardの小型バリューインデックスファンドを安い時に買え」と、言っているのが他の投資本と違っていました。小型株効果、割安効果、十五年に一度ぐらい資産の70~90%が評価上吹き飛ぶこともあるけれど、ホールドしておくならこれしかないぜーってなかんじ。理論上は納得できます、実践するのもVISVXVBRに金をつっこんで再投資設定で放置しておくだけなんですけど……その放置するだけが至難なのは、やってみようとした人でないと分からないわけです。


Vanguard Small-Cap Value Index Fund Overview
Vanguard Small-Cap Value ETF Overview