というわけで、継続してWisdomTreeのETFについて調べています。株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらすの著者、ジェレミー・シーゲル教授の考案した指標に基づいてパッシブ運用されるETFという、まあ、投資をしていない人には、もう、さっぱり分かりませんなー、ってな金融商品ですが、既存の投資信託に比べて、投資する側に有利な点が多いのです。もちろん、不利な点もあります。確実に解約・買取ができるか不明というところが、投資信託に比べて一番のデメリットでしょうか。
WisdomTreeのETFに関して言うと、他のアクティブ型のETFに比べて有利な点があります。それは、インデックスが示されたパッシブ運用ですので、突っ込まれる資金が大きくなっても大丈夫なところです。時価総額の大きい大型株メインのETFだと数百億円つっこまれて「ふーん、お金あるんですね、じゃ、買っておきます、というか、お好きな値段で自分で注文だしてください、注文が約定したら運用します」で終わりです。ひょっとしたら、一兆円でも大丈夫の世界です。もっとも、時価総額の小さい小型株のETFを百億円ほど成行きで買うとか無謀なことをするとダメでしょう。出来高も少ない世界ですし。と、なにげにスティール・ボール・ランネタ。
えー、大きな金を突っ込まれても大丈夫というのは、けっこう大事なところです。日本のみならず国外においても、ファンドマネージャーが有名になると資金が大きく集まります。ところが、運用する総資産が小さいうちはうまく行っていた運用が、総資産が大きくなるとうまくいかなくなることが多いのです。
しかし、なんらかのインデックスがあり、そのインデックスに連するパッシブ運用だと、資産規模が膨らんだ場合の問題がかなり小さくなります。ファンドマネージャーの能力、才能、運によりかかる運用ではないからです。もっとも、WisdomTreeのETFの場合は、資産規模がまだ小さすぎるのが問題なんですけど…… 一応、2千億円は超えているようですが、パッシブ型ETFの悲哀、得られる報酬が安いため、運営会社のWSDT.PKは大赤字で大火事かつ大車輪です。
だから、応援したくもなるのです。アメリカの掲示板やフォーラムを見ても、ぜんぜん盛り上がっていません。競合ETF(DVY,SDY)の方が先に販売され同じような実績をあげており、まともな評論家やアドバイザーは「まあ、バックテストの結果は良好らしいけど、問題はこの先どうなるかだし、投資セクター・銘柄に片寄りがありすぎるよね~」ってなもんです。ましてや、「市場平均を超える! しかも長期で! 何十年でも!」とか言っている人間は皆無というか絶無です。運用側を除くと世界でひとりかよ! みたいな。よわよわです。
さらには、もともとパッシブ運用で派手さに掛ける上に、ETFが上場して1年を経過していないので、国外のETFの評価サイトでもまともに検索に引っかからないのです。半年以上は経過していますので、1~6ヶ月のリターンなら出ます。でも、まともな投資家はまだまだ相手にしていません。寂しいことです。とはいえ、ETFはETFです。国内のネット証券においての取り扱い希望メールを、ちまちまと出していきたいと思います。東証、大証などで、そのまま買えるのであれば、それでもいいのです。買えるようになったら、バイ&ホールドして、シーゲル教授の理論が正しければ、市場平均よりもリターンが大きい世界を教授じゃなくて、享受したいものです。
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