Friday, July 29, 2011

久しぶりに海で泳ぐ というか、自転車ごと埠頭から海に落ちました

埠頭の海際を走っていて、気がつくと海に落ちていました。埠頭の海間際で、足をついて海を覗き込もうと思ったら、熊本行きの疲労が抜けていなかったのか、前に足が出ませんでした。バランスを崩す感覚のあと、地面へ倒れる衝撃でなく、落下の浮遊感があります。自転車のハンドルは握っていました。自転車ごと  海  へ

と、猫の地球儀ネタっぽく。

その日、たまたまフロントキャリアにくくりつけていたリュックのなかに、2リットルのペットボトルを入れていました。ほとんどカラになった2リットルのペットボトルです。自転車が海の底に沈み込まなかったのは、リュックに入れたペットボトルが浮きになったおかげでした。ただ、着水の衝撃で、眼鏡とオーバーグラスは海底へ消えました。いったんは眼鏡を拾おうかと、服のまま海底へ潜ったのですが、視界が悪くどうにもなりませんでした。水中眼鏡とライトがあれば、流されてなければ見つかるかな? そういうレベルでなく、ダイバー装備が必要そうです。

もとは水泳部だったこともあり、1.5km程度なら海でも問題なく泳げます。たぶん。いま1.5km泳げるかどうかは、自転車に適した体型になって下半身が重いので不明です。しかし、いずれにせよ、自転車を抱えたままだとどうにもなりません。また、泳げるとは言っても、水着ではない服を着たままだとどうか? 埠頭からはあがれないけど、1kmも泳がないところに砂浜があります。船の接岸する場所ですが、少し泳げば釣り人がいるところもあるでしょう。

どうしたものかと岸壁に寄って、埠頭の船が接岸する用のゴム緩衝材からよじのぼろうと緩衝材を掴みますが……体重がかけれません。上半身が海から出た時点で重さが一気にかかって、指で体重を支えきれず、また海の中へ逆戻りです。そうこするうちに、靴を履いたまま、服を着たままの立ち泳ぎで自転車を抱えていると、疲労がたまるのが分かります。こ、これ、ちょっとまずー。

自転車を海へ放置すれば、泳いで登れそうなところまで行けそうです。しかし、、眼鏡もオーバーグラスも自転車もなくすと、しばらく立ち直れません。いや、すでに疲労から立ち直ってないから海に落ちたっつーかー、あー、足が-、ぽ、や、ヤバッ、いや! ポケットに携帯がある! あ、でも海に浸かって! いやいや、G'z one TYPE-Xだぜ、大丈夫だぜ!リュックの中のデジカメもW-90で防水だゼー! やったね。

と、すでに集中力を欠いており、きわめてニアデスエクスペリメントなところで立ち泳ぎをしていました。そんななか、財布が海に浮いていたのを回収できたのは僥倖でした。

状況を打開すべく、周囲に使えそうなアイテムが無いかを探す行動にでます。船を固定するロープがあったので、それを掴んでなら一気にあがれるかも! 自転車を抱えたまま、埠頭をよじ登ろうとします。ぼちゃーん、と。も、もう一回! ぼちゃーん。アウアー。こ、これ体力奪われてるー!

とりあえず、ぷかぷかと立ち泳ぎしなら、自転車を抱えて途方にくれます。助けをもとめて左右を見回しますが、埠頭横を自動車が通り過ぎるのが見えるだけです。人の姿は見えません。ほ、ほんとにマズッ! これは、し、沈む!

と、ここで気がついたのは、船を固定するロープがわっか状にになっていることです。わっかになっているなら、クロスバイクのフラットバーをひっかければ……

手を離しても自転車は沈まなくなりました。もっとも、後から分かりましたが、いくつかのパーツは、ロープの荷重が集中して犠牲になりました。

あとは服を着た自分がなんとか上に這い上がれればいいので、ロープを伝えば余裕だろうと、ロープを掴んで、山登りの要領で埠頭の壁に足を付けて登ろうとします。しますが、しようとするのですが、これが、体が上がらないのです。わっかにかかったフラットバーハンドルの上にのって、それ以上下に落ちることはありません。ポケットに手をやる余裕ができたので携帯を取り出すと、さすがはG'z、余裕で使用可能です。でも、体は埠頭の壁に張り付いたままです。

ロープを浸かってよじ登ろうとします。人が見えたら助けて貰おうと期待しますが、人通りはありません。眼鏡を失っているので、車が通るのがぼんやりと見えるだけです。その車も、暑さのために、窓をしめてエアコン全開状態なので、こちらが声をあげても通らないでしょう。

ぼんやりと、しかし、ちょっと必死に埠頭の壁にしがみついていると、ヘルメットを被っている前傾の深い自転車が視界の中を動きます。あ、ローディだ、それに、ぼんやりとした視界でも分かる、チェレステカラー、あれはビアンキのチェレステブルーだね! とか思っているまもなく、そのローディは視界から消えました。

コンフォートっぽい傾斜だったから、ニローネだったかも。いずれにせよ、ロードは早いなー。

チェレステ ビアンキ - Google 検索
ニローネ - Google 検索
こっちはやばいなー。もう、完全に現実逃避はいっていました。フラットバーの上にのりながら、髪から垂れてくる塩水を振り乱しながら。だんだんと痺れてくる手足をなんとか回復させようと賭けにでました。

携帯があるので、これでダメなら、119に連絡してローカル紙の三面記事を飾ってやるゼー、恥だ-。そういう覚悟です。

一分だけ、手のしびれをを取るために、握っているロープから力を抜いて、フラットバーにかけた足に体重を預けて呼吸を整えます。十数秒経過、手をゆっくりと開閉して痺れの状態を確認。三十秒、だんだんと呼吸を深くします。45秒、息をとめて指を軽く握って、体重をかけて短距離そうのスパートのようにそおおぃって一気に登ろうとしたら、ポケットから財布がまた消えていることに気がついて、下を見るとぷかぷか浮いていました。んで、なかば気を失いがら海面に再度落ち込みました。

海面から財布を拾ってロープをつかって埠頭の壁をよじ登ります。夕暮れ前、埠頭、壁に手をついて、またフラットバーの上に立ちます。もう、119を呼ぼうか、しかし、なんで海に落ちたのか聞かれても、本当に、「いやー、ふらっと、気がつくとぼちゃんと、あ、この自転車はフラットバーのクロスバイクです、海に落ちた理由? ふらっと、かな?」という答えしかできないでしょう。呼ぶに呼べない。

結局、ずり落ちるときは表面積を増やして摩擦力をあげるでござるの技を使って、着ていたポロシャツの胸面を壁に押しつけてホールドしつつ両腕を埠頭上部にもっていって、後は肩を左右に入れ込みつつ、胸板と足で壁面に対してトルクをかけて強引によじのぼりました。服の全面と、右膝が血塗れになりました。

登った時点では、自転車はまだ海中です。その写真が、一枚目の写真です。


これは、わっかにしてひっかけていたロープで自転車を、海から引き上げたの図です。写真は、G'z ONE TYPE-Xです。ほんとうにタフネス携帯でした。

とりあえず、ロープを掛けていた右のフロントブレーキが死んでいましたが、あとは自走可能でした。そのまま自走して、自転車ショップに行くと、ショップを開いて数十年になるけど、自転車ごと海に落ちて、そのまま自走して店に来たお客さんは初めてですと感動されました。眼鏡屋にも寄りましたが、同じ感じでした。

眼鏡は、レンズとフレームで37,800円でした。アルテグラホイールへの換装計画は頓挫しました。

海にダイブしたW-90も、余裕の撮影可能でした。

防水ってのは本当だったんですね。

いまは予備の眼鏡を付けてブログを書いています。眼鏡は注文しましたが、オーバーグラスも海の藻屑になっているので、オーバーグラスも購入しなくてはなりません。五千円ぐらい。とほほ。もう、ぜんぜんだめ。ナビもホイールもお預けです。

もちろん、海へダイブしたあげくに、いろいろとゆがんでいる感じのクロスバイクは、修理が利くかどうか、利いても後から錆が出そうという感じです。

一応、水洗いして、ワックスシートで拭き上げて油は差していますが、フロントがサスペンションありなので、サスの中に入った水とヘッドまわり、ケーブル内に染みこんだ海水はどうにもならないと思います。自転車メンテナンスの本にも「自転車ごと海へ落ちた場合はどうすればいいか?」なんて状況に対する解答は載っていません。


パープルがノーマル。シャイニーオレンジがGPS付きです。仮に海に落ちたりすることを考えると、目立つ色が良いでしょう。

補色 - Google 検索
自然の中で使うなら、自然にある色の補色がベストです。