Sunday, July 24, 2011

熊本城からミルクロードを経てラピュタの道

ranobe.com: ガンパレード・マーチ!  ということで熊本城まで低速自走幻想編
続きです。

サイクルベースアサヒの熊本店? で、輪行バッグを購入。度重なる後輪パンクで、後輪を外す技を身に付けていたので(ディレイラーは直置きしてたけど)、前後輪を外して入れるタイプを買おうと思います。で、店にはいるなり「たのもう、輪行バッグとエンド金具を所望じゃ」と、熊本城の影響下で時代劇モードになっていたので脳内でささやきます。脳内か。が、「すいません、輪行バッグとエンド金具を下さい」と声に出して尋ねると、「えーと、輪行袋は売ってますけど、エンド金具は欠品してまーす」という分かりやすい答えが! じゃ、じゃあ、後輪外したらディレイラー直置きもしくは天地倒立でサイコンとかライト外すの、ちょう面倒コースかッッッ!

輪行袋コーナーにはバッグは置いていますが、エンド金具はありません。ほんとになかった。バッグにはエンド金具がセットのタイプもあるのですが、店頭在庫のものにはエンド金具がセットになっているものはありませんでした。悩んだ末に、前輪だけ外すタイプのバッグを購入。
マルト(MARUTO) 輪行袋・日本製<ツアーバッグSONOMA210>(ブラック) YD-20を買いましたが、後から使った際に、やけに丈夫であることが分かって助かりました。ドリンクホルダーに詰め込むタイプでなかったのが、かえって良かったです。サドル後部に輪行バッグで、いままでサドル下に付けていたツール用のバッグは、ドリンクホルダーにセットするツール缶にしようと思います。ツール缶だと、エンド金具もさくっとはいるものがあります。怪我の功名か。


実は、いくつかの機材的な不安要素は残っていましたが、積乱雲に引っ張られて、阿蘇を目指す気合いがでてていました。それに、最悪、走行不能になっても、すでに輪行袋は持っているのですから。未踏の熊本・阿蘇の道を爆走です。

大分までの距離が出ています。気合いと脚があれば、ミルクロード~やまなみハイウェイのコンボが可能というわけです。ちょっと遠慮したい。

やまなみハイウェイ - Google 検索
やまなみハイウェイ - Google 画像検索
クライマーのいうことを信用しちゃなんねえだよ。坂道に喜ぶドM体質。いま分かりやすい例だと、週刊少年チャンピオンの、弱虫ペダルの主人公と、そのクライマーのライバルが正に坂道で笑う変態紳士です。

道の駅 大津を過ぎてすぐに、ミルクロード入り口。が、ここで問題発生。ミルクロード入り口からラピュタの道へ行く道が分からない。ラピュタの道への道探しという愚かな事態になったのです。ラピュタみえねー。

ラピュタの道は、国道と国道をつなぐ農道で、登りと下りがあります。フラットペダルでドノーマルのホイールで、すでに100マイル(160km)を走ってきています。できれば、ロードコンディションが悪いと分かっているラピュタの道を登りで体験するのは避けたい。上から景色を眺めるにとどめたい――

振り返れば、振り返れば、この判断が間違いだったのです。

この場所に到着するまでに、残っていた体力を大幅に削ることになりました。

道の駅 大津の地図 -NAVITIME
だいたいの道程がわかります。狩尾端辺牧場の手前の下りの道が、ラピュタの道です。携帯では検索できなかったので。「狩尾牧場」でNAVITIMEで検索してもでてこなかったのです。「狩尾端辺牧場」「狩尾 牧場」でないとダメ。そして、「距離が短い」「坂道が少ない」「坂道が多い」で検索をしなおしてもらうと、すべてが分かるのです。

「距離が短い」ニアイコール「坂道が多い」。ラピュタの道に自転車で行く場合は、ラピュタの道を登るを選択したほうが良いのです。ラピュタの道へ自転車で挑む場合は登りがよい。なぜかというと、内燃機関があり速度が出せる登りの車やバイクに対して、下りの自転車で正面から離合することもなく、安全なのです。坂道を登る走行距離もすくなくなるのです。それが分かっていなかった。

写真撮影のことも分かっていなかった。上と同じ場所での撮影です。やけに暗く映るので、フラッシュを炊いてみると、空がすべて白くなりました。なんていうんでしょうか、ケラレ?

白飛び - Google 検索
白飛びのようです。広い面積で白飛びということに。どうやって持っていったデジカメのW-90で、どのようにして露出適正にするのか? オートモードでダメな場合はどうすれば良いのか? 全ては謎に包まれています。自転車板だと、後輪を外してリアディレイラー直置きに等の自転車の扱い対してはツッコミが入って修正の機会はあります。ありがたい話です。

しかし、自転車板がゆえに、カメラの撮影に対しては広い心で受け入れて、ああしたほうがとか、こうしたほうが良いというのはあんまりないわけです。記録でなく記憶の心意気。

【匠のデジタル工房・玄人専科】 : 初級編:露出補正と白飛びについて
目の前に座るIさんのこの状況の一瞬を記憶に留めたいから・・
だから写真を写すのである。無理して作品にしようとするからしんどいのであって、あくまで自分が撮りたいから撮る。記憶を永遠に留めたいから写真を撮るのである。

この写真は別に売り物では無いから、私が、あるいは、この写真を差し上げるIさんが気に入ってくれれば良い。真のニーズはそこにしかない。商業写真としてのプロ写真家はクライアントのニーズやパブリシティとしての効果を常に考えければならないが、逆に言えばアマチュア写真家の醍醐味はあくまで自分の好みに自由に走れる事が最大のメリットである。
いい話です。

運命の分かれ道に到着します。

ここで十字路になっています。すでに日も落ちかけており、道を間違えば、時間も体力も残っておらずリカバリできません。それもまた一局なのですが、道を正しく選べば夕暮れに入りかけたラピュタの道に到達できる。

看板はあるけれど、いわゆる農道、しかも4t車以上進入不可で、落石のためだいたい通行不可のラピュタ道は乗っていません。

この看板を、ラピュタの道の往路で自転車で見ているなら、すでに貴方は道を間違っていたということです。ここからリカバリするには、東です。東に行って下からラピュタの道を登るのが正解です。写真の看板は、下側が北になっています。北に行けば、自分と同じ道で、上からラピュタの道を臨めます。しかし、貴方がクライマーでなければ、北(北西)へ行くの無謀です。ここまで坂を登って獲得標高でなく、実際の標高で900m越えをしていて、さらにトドメの蛇行する「10%」とか書かれている登りが待ち構えています。


さいわい、auの携帯電話はつながったので、あちこちに電話して、パソコンで道を検索してもらいました。ただ、その結果が、北上という厳しい道だったというオチがつきます。それでも、正しい道が分かったのと視界が開けて来たので、心が沸き立ちます。

かし原 塩羊かん 10本 - Google 検索
サプリメント・ボディーケア  かし原 塩羊かん  サイクルベース名無し:自転車レビューサイト
かし原の塩羊かんの10本入りの小分け袋が、まだ背中のポッケに残っていました。補給食の塩羊かんを複数個食べて最後の気合いを出します。


遠景に、風力発電の風車がまわっています。

草原を下る農道が見えます。「もしかして、あれがラピュタの道!?」と思いますが、二重の峠(ふたのとうげ)から見える、最初の2本ぐらいの農道は、ラピュタの道ではありません。車の進入もできずに、完全に進入禁止になっています。ボランティアで整備するのもしんどいでしょう。MTBだと少しは行けそうではありますが、下まで通っているかどうかわからず、さらに言うとトラブルになった時に、どうしようもありません。阿蘇の大地に還ることになるでしょう。あと、この辺は野焼きがあるので、その時に発見とかの最悪コースが想定されます。

振り返って写真撮影。

薄霧がかかっています。霞なのかもしれません。せっかく来たのに、見開けた場所で視界が悪ければガッカリです。けれど、ラピュタの道は快晴で見通しが良いときでなく、霞、雲が出ているときこそが最高の景色になるとの話です。その話が与太かどうかは分かりませんが、信じてペダルを回す力にします。もう、脚も売り切れ状態、さらに標高が1000m近くのところで運動を継続するなんてことは人生初でもあります。力に変えられるなら、なんでも縋るわけです。

サイスポ ラピュタの道 - Google 検索
とくに力になったのが、サイスポでラピュタの道の記事を書いた自転車ライターへの殺意でした。「野郎(女郎の場合も)! あの記事を書きやがったのはクライマーだな! ドM坂道に誘い込みやがって! こっ、こ(イカんでしょ自粛)」

尊敬する絵師・安田朗こと、あきまん先生も、カプコンデザインワークス
の中で「殺すパワーで厳しい局面を乗り越えた」というようなことを書かれていました。殺すだなんて、やばんですね。いけないことです。

殺伐とした心を、道ばたの花が癒してくれます。

うすく紅い花。食えたら食っていたでしょう。間違いなく。

景色はいいけれど、坂道です。ひたすらです。

牛が放牧されています。遠くを見渡せるところに来て、さらに遠くを見ても、牛の姿があります。

乳牛と確信が持てていたら、その場で牛乳を調達できるなーと考えていた写真。

遠景をズームしても牛。その奥にもたぶん牛。うしうしうし。うしと言えば、闇金かいいにくかってな具合いだよドラー。と、変わらない光景に対する怒りをペダルにぶつけます。

もしかしたら、登りが終り? そんな希望を抱きました。笑顔がこぼれます。そして、登り切ると、顔に縦線が引かれるエフェクトが。

しかし、道が正しければ、いつかは目的地にたどり着くのです。

検索した見たことのある風景が現れます。麓まで下る一応は舗装されている農道。あれこそが、ラピュタの道に違いありません。

反対側に間違って行くと大変なことになるなという風景。ただ、ここで土に還るってのもありかもと思わせる偉大さではあります。地元の人は大迷惑でしょうけど。牛も迷惑するに違いありません。うしめ~わく。

そして、たどり着きました。

ranobe.com: ラピュタの道 自転車で行くなら下から登りましょう
続きます。