Friday, February 02, 2007
肉欲の日々 抜け出るために むしろ
まともなステーキを、きっちり食べてけじめをつけて、肉欲の日々から抜け出てみたい。そんな戦略です。というわけで、オーストラリア牛ながらも、ステーキを食べてきました。かなり、ちゃんとした店です。でも、食べたのはランチタイムのサービス品で、セットで1,995円と、超おとく価格。
しかも、超おとく価格にもかかわらず、なんと、目の前の鉄板でブロックから焼いてくれるのです。行ったのは29日でお肉の日とかでは無いのに素晴らしいサービスです。同じ系列の別の店には行ったことがあるのですが、今回行った店舗は初めてです。で、一見でドレスコードもなにもかもブッ千切って行ったにもかかわらず、写真を快く撮らせてもらって感謝しています。店の名前を出さないのが大変に残念です。でも、見る人が見たら一発かもしれません。
ブロックからスライスして一枚のひらたい姿になるのです。目の前で初めて見て感動しました。手品のように、なんか、すごいことになっていくのです。焼き方はレアで注文しましたが、この方式は初見でした。いままで食べたことがる、分厚いステーキで焼き方はレアの概念をくつがえされたのです。つまり、分厚い肉で焼き方はレアを頼むと、分厚い肉をそのまま焼いて、「周辺部は火が通っているけど、中は冷たい部分がある」となりがちだったわけです。ただ、皿が鉄板で焼けていれば、自分で好きな具合に熱を通してくれということなのかもしれません。
「周辺部は火が通っているけど、中は冷たい部分がある」が当然ぐらい思っていたら、実は、このような回避方法があったのかと目の前で見せつけられ、まさに驚愕したしだいです。表向き平静をよそおうのが大変でした。スライスして小分けして、個々の肉の周りを焼いていく。それでいて、中まで火は通さず温める程度に焼き、きっちり注文通りにレアに仕上げる。そして、
ワインで火を付けて、一気に外見を仕上げてもらって、おお、という言葉が口から漏れたりもしました。「あれ? ほんとに注文したのは、ランチだったっけ? ディナーでも出している別のコースとかでなく?」と、どきどきもできました。ランチ以外のメニューはえらいことになっている値段だからです。間違って和牛を頼んだりしてないよな? それもなんかブランドものの和牛、と、何度も不安に襲われました。
ほいで、火を通り抜けたあとの肉です。火の試練をくぐり抜けた肉とでももうしましょうか。ドイツ語とオペラに堪能であれば、ニーベルングの指輪のブリュンヒルデの火の試練のところでも歌っていたところです。あれだけ派手に炎があがったにもかかわらず、レアのままです。まさかステーキでファンタジーを体験できるとは思いませんでした。youtube動画でタネをおしえてほすい。
並べてもらっている間に、「ああ、はやく食べたい、はやく食べたい」と、手が伸びそうになったのを誰が責められるでしょうか。でも、手を出すとステーキナイフでばっさりやられそうだったのでがまんできました。味の方は、もともとサシが入った肉よりも、赤身の方が好きだったので、ばっちりおいしくいただけました。三種類のソースだったこともあり、色々と楽しめたというのが本当です。ああ、また行きたい。でも、切りがないので、これを良い思い出として、肉欲の日々を卒業したいと思います。さくっと留年したりして。
当面は、季節の終わる牡蠣とかを食べていこう計画を、つつがなく実行していきたいと思います。