Sunday, August 24, 2014

屋久島を自転車で一周してきました


鹿児島港から高速船で宮之浦港へ輪行して行き。宮之浦港から歩いて5分のシーサイドホテル屋久島に、チェックイン前だけど荷物を置かせてもらって一周に挑みます。

博多~鹿児島は高速道路を使って自分で車を運転して、仮眠を取りつつ行きました。まともに寝ていなくても、高速船で2時間眠ればいけるだろうという判断だったのです。

しかし、船内では屋久島に登山する人向けのマナービデオが流されていました。「もしかしたら、山の中に入るかもしれないからなあ」ということで、ビデオを見ずに眠ることもためらわれたのでマナービデオを全鑑賞してしまい睡眠の時間確保に失敗します。

屋久島のトレッキングでは、携帯トイレが必須と分かったのは勉強になりました。山のトイレ問題の解決は、屋久島に限らず技術が進歩していけばできるんものなのでしょうか。コストさえ問題なければ解決はするらしいですが、そのコストが問題なんだよなあ。


ホテルで装備を整理していたら、ガッツギアゼリーをパッキングできないことに気が付き、2袋のガッツギアゼリーをその場で飲み干します。

そして、しばらく走ると、どうにも胸焼けに苦しむことに。胃薬は飲んでいますが、睡眠不足と暑さでやられているようです。しかし、なんだかんだいっても、初めて見る場所、初めて走る場所は気持ちが維持しやすいです。

一湊浜の鳥居。自動販売機もまだあります。走れる世界遺産・西部林道は、舗装はされていますが、ジュースの自動販売機などは置いてありません。街灯も無かったはずです。灯台はあり。

海辺の道を進んでいくと、当初の目的と、自動販売機の設置終了ポイントである永田浜に近づいてきます。永田浜~西部林道~瀬切大橋、栗生。と、反時計回りの場合は、永田浜が補給の最後の機会になります。
まだこの先にも自動販売機はあるからと、心に余裕があります。足の売り切れもまだまだ先の話で、景色を楽しむ余裕もあります。

異様な美しさ。泳ぎたいところではありますが、写真を撮影するにとどめてペダリングします。実際には偏光オーバーグラスを使っていたため、さらにコントラストが上がって美しい記憶色にしあがっています。

だんだんと緑が濃ゆくなっていく気配。サイクルジャージは日除けのために長袖でした。装備としては、頭部はヘルメットに偏光のオーバーグラス、ヘルメット下には剣道で使う面タオル。下半身はレーパンの上にズボンでした。後からのダメージで気がついたのが、後ろの首筋を日差しにやられていました。
ひたすらに登って降りてのアップダウンをたんたんとこなして行きます。赤い花が南国だなあなどと思っているの図。
永田いなか浜に到着。
いったん装備を解除して、自販機で500mlのペットボトルを3本購入して、一本は即飲みし、残り2本はボトルに入れます。入りきれなかった分も飲み干します。
永田浜へ降りていきます。
ウミガメがもっとも多いところだとかなんとか。
分かりやすく杭が打ってあります。
送陽邸。ここに泊まればよかったのかもしれませんが、自転車があると無理な感じでした。
ただ、階段は登って行きます。うーむ。まだ水分摂取がいけそうだったため、自販機で、缶コーラを一本追加で飲み干します。
その後、永田浜の一角をなす前浜へ移動します。
これを見に来た。
屋久島は青空がいつ雨雲に覆われるかわかりません。
発電所前の下りを走ってみます。
これかなあという感じ。
送水管があって、下で発電しているようです。
港に降りて、山を振り返ります。
蒼天の白き神の座(そうてんのしろきかみのくら)というゲームがあったそうです。山岳(事故)ゲーム。自分が見たことのある山や、自転車で登ったことのある山は1000m級ばかりです。ここ最近に見たものだと由布岳(1500m級)が最高だったような。自転車で登ったのは1000m級までです。

そのいずれとも違う感じです。あきらかにヤバイ気配。つうか、うかつに登ると死ぬなという予感でなく確信があります。頭のなかで登山をシミュレーとすると、高い確率でまずい事態に陥る。ただ、以前には、屋久島の奥岳よりも危ない気がする山の麓にも行ったことがあるなあという記憶が……思い出しました、霧島の新燃岳がさらに異様でした。

一応、自転車でのナイトライドの装備は整えてきていました。最初から蛍光色の反射ベストも身につけています。いわゆるブルベ装備。リアキャリアのバッグ内には、懐中電灯のP-6と、ヘッデンも入っています。行動食も1800kcal(うち、ガッツギアゼリーの飲み干していなかったものが2個、400kcal分)ありました。他に井関食品の塩タブレットが30ぐらい。

その装備は、自転車では、ここからが本番、西部林道に挑むためです。
(この装備で、夜に入山もありかなと、大変に舐めたことを考えていました)
西部林道は、これまでの2車線ある道路から、一車線になります。道は薄暗く、観光客のレンタカーが危険な速度で走っていることもあると事前に調べていました。

後から負荷が増えないように、出発地点のシーサイドホテル屋久島から自転車のライトは点灯させたままです。テールライトもつけています。全ては、この西部林道で事故の確率を減らすため。
きつい登攀の時は下を向いてしまいますが、その場合はカーブミラーを見ることができません。なるべく顔をあげて、耳を済ませてペダルを踏んでいきます。なお、フラットペダルですので、引き足は使えません。
予想以上の気温でボトルの水を飲み干してしまいます。ゼリーは2袋ありますが、それは最後の最後、ハンガーノックからの回復に使わなくてはなりません。前半50kmも終わっていないのにゼリーを飲むことは避けたい。いや、ここでゼリーを一袋使っても、後半は街中だから……いろいろと考えますが、水分補給めあての場合は、目の前に水がある。おそらくはいけるはず……ということで、沢の水に手を出すことになりました。

塩分タブレットを一緒に嚥下して、血液中のミネラル濃度の低下を回避します。ついでに、塩が濃ければ殺菌作用もあるだろうという目論見でした。
ところが、塩分補給が裏目にでて、胃酸が出てきて食道を焼きます。塩水でたぷたぷの腹。登りでのペダリング。つらくて前傾する姿勢。逆流性食道炎のフラグをたてまくっていたわけです。
野生のにゃんこに遭遇。







滝に寄り道したのは、トイレがあったためです。

湧き水ポイント。ここでも大量の水を摂取して、食道炎フラグをさらにおったたていきます。ただ、この時点で西部林道はクリアしたのです。
2車線になったら西部林道は終わり!

それは事前に調べていました。

太鼓岳か後岳を見ながらダウンヒルを楽しみます。

時計回りの場合は、最終の自販機がここらあたりにありますので、自転車で島一周の人は要注意です。
栗生の集落にたどり着きます。
ここらで、魚めしのノボリを見て、ちょっと食べたくなりましたが、食道がそれをゆるさずにスルーすることになりました。屋久島に何をしに来たんだろう……
栗生浜。ここで、自販機のジュースを飲み、トイレを借ります。
鮮やかな緑。
その向こうに峻嶺。
自転車での移動を再開し、坂を登って行くと側道に花。
……ホテ……ル?
たぶんモッチョム岳。これを見た瞬間に、夜にヘッデン装備で山に行ってみようかなどという考えが消し飛びました。
屋久島いわさきホテルの横で。

宮之浦港出発で反時計回りのルートだと、ここ折り返し地点かなあという地点。見事な景色で思わず足が止まりました。
その後しばらくして、泥沼の雨天走行がはじまります。危惧していた雨が降ってきたわけです。カッパとレインキャップがわりの安物の帽子はもってきていました。雨降りは下りに掛かる前におさまってしまい、カッパは使わずじまいでしたが、濡れた路面には難儀しました。




空港までやってきました。再訪するなら空路がいいなあ。
雨があがると、今度は速度をだしはじめて車がライバル。

歩道をやむなく走行して、雨水管と遭遇。おお。
おにぎりは登山客に需要があるそうです。早朝に弁当を受け取り登山して食べるとか。
おにぎり。なんとか、胃に収めます。

持ってきていた、薄皮あんぱんは喉を通りそうになかったのと、あきらかに熱でやられていたので、もったいないことに、まるごと廃棄となりました。
もうすぐ、一周も終わり。

岳南中学の屋久島一周(時計回り)と、反時計回りの自分がすれ違ったりもしました。
寄り道がおおかったので、108kmになっています。
補給食は必須です。夏であれば、塩タブレットとミネラルサプリも。おそらく、胃薬も必需品でしょう。

しかし、NV-U37を山ナビとして使えるかなと思っていましたが、使いませんでした。屋久島で使わなければ、どこでつかうというんだろう。