Saturday, November 19, 2022

移動式クレーン運転実技教習の個人的まとめ 前準備と6日間

 たぶん、ユニックの運転・作業もできるようになりたい。というのが出発点だったと思います。お盆あたりに小型移動式クレーンの技能講習に行こうとしていたようなおぼろげな記憶があります。

が、小型移動式クレーンの技能講習は人気の講習でした。コベルコのデータでも、数はフォークリフト技能講習が毎年20万人ぐらいでトップですが、習得者数の伸び率は小型移動式クレーンがすごいと書いてありました。で、自分が行ける日の予約をとることができませんでした。

えー、じゃあ、移動式クレーン運転士ってのでもユニックで作業できるらしいし、学科試験の受け付けは試験の2日前までいけるらしいのでそれでいくか。そのような流れだったと思います。いまひとつ解像度が低いのですが、クレーン・デリック運転士もとるかとなりました。クレーン限定とデリックの参考書の違いもわかっていない状態でした。

まあ、実機を見せられて「これデリック? クレーン?」と言われても分からないでしょう。博多港だとデリックはないのでわかりますが、北九州につれていかれてやられるとお手上げです。実技教習がおわればなんとかなるかな?

移動式クレーン運転実技教習は久留米の久留米自動車工科大学校で受けました。福岡県労働基準協会連合会筑紫野会場でも実技教習は行われていたんですが、予約が取れませんでした。九州だと、あとは北九州と大分で実技教習は行われているようだったんですが、久留米が一番近かったのでそこで予約をとった次第です。

前準備。そもそもの場所がわかりませんでした。当日にいきなりってのも無謀なので、下見に行きました。行ってみると、自動車でも自転車でも何回か前を通ったことのある場所でした。広川インターチェンジを降りてすぐのところです。下見と言いつつ、書類の提出もしました。現金は現地での受け取りは無しということでした。

高速道路を使用しない場合、渋滞を考えると片道3時間かかると思ったほうがよさそうでした。食事は学校だけあって学食があり、外部からでも利用できました。500円ぐらいで日替わり定食だったと思います。


11月2日 1日目。08:30オリエンテーリング開始のため、逆算して5時15分に起床して6時前に出発。下道で全行程のはずが、ナビに案内されて筑紫野インターチェンジで高速に乗りました。広川インターチェンジは罠があって、トイレをかりに寄ると、なんということでしょう、広川で降りれないのです。八女インターチェンジまで行くことになりました。時間の余裕があったので下道で残りの道をこなしたんですが、渋滞の時間だったのでちょっとあせりました。

広川町に入る前の茶畑を見て心が落ち着きました。以前は自転車で来たなーとか思いながら。

到着後にオリエンテーリングだったんですが、オリエンテーションとオリエンテーリングを混同していることに気が付いたのは、これを書いているときです。オリエンと言っていたらわからなくなるの法則です。最初は書類の説明で、免許の申請書類の書き方からでした。実技教習は受からせる前提であることが伝わってきますが、法令で定められているので遅刻するとアウトだとは何回か念を押されました。

参加人数が4人だったのですが、うち2名が学科試験合格済、同じく2名が玉掛け技能講習修了していました。4名というのは極めて少ない数らしく、通常は9名、少ない場合でも7名ぐらいが実技教習を受けるんですがと説明されました。あとになって理由の一端がわかったのですが、コロナという大きな理由の他に、学科試験の問題傾向が少し変わったのではないかということです。

通常であれば合格率は50%を超えるはずが、なんでも、九州だと11月2日の試験は合格率が約45%だったとか。これは実技教習の最終日ぐらいにわかりました。その一個まえの自分が受けた学科試験も九州で合格率は同じぐらいでした。低めの合格率で予定が狂って、実技教習を会社から受けに来るひとが減ったのではないかという話でした。

書類を書いたあとは、玉掛けの合図から始まりです。玉掛け合図を順番に行っていきます。技能講習を受けていた自分ともう一方は順番が後に回されて、可能な限り平準化が試みられていました。現場によっても違うので、最初の朝会などですり合わせてねと説明されて、標準的な合図を3回ほどやって終わりです。あっさりめ。ヘルメットは4名中3名が自前でした。借りることもできます。ただ、通気穴やバイザーがクリアで上方確認がしやすいものなどは選べませんので、自分は持参しました。タニザワのエアライト搭載のクリアバイザータイプです。防災用としてもおすすめです。

クレーンはトラック積載式が2台、ラフタークレーンが1台でした。自分はラフタークレーンで実技教習をすることになりました。加藤製作所のMR-130Rfでした。アウトリガー張り出しからです。基本中の基本らしいですが、怠って死亡事故もあるそうです。

乗って初日に、クレーン未経験の場合は実技試験の合格が至難であることがわかりました。操作はレバーで行うのですが、動くときの微動作を制御するのが素人だと困難でした。実技試験の評価方法も法令には書いてあるのですが、実際のところが今ひとつ判明せず。結局、クレーンをさわれる環境でない場合は、素直に実技教習を受けたほうが早いようです。昼食は食堂で取りましたが、他の日は時間が不規則な教習になるため持参したシリアルや柿の種を食べることになります。

1日目の帰路は久留米市内を通りましたが、やはり渋滞に捕まりました。回避方法を模索することに。

11月4日 2日目。14時開始。往路の選択を間違え、那珂川の山の中を通ることになりました。山を抜けて筑紫野でみごとに渋滞につかまり、完全に選択ミス。渋滞の原因としては、剪定作業が行われており、一車線になる場所がありました。

実技教習のスケジュール的に飛び飛びになることは事前に分かっていました。忘れかけていたことを思いだしつつ試験コースをゆっくりと操作します。荷物は試験と同じですが、操作はまだひとつひとつでした。複合操作も3日目からは入ってきます。

帰路も久留米市内を通り渋滞です。

11月7日 3日目。往路の選択を変更し東脊振トンネルを抜けていきます。神埼市に向かい朝のラッシュに微妙に巻き込まれましたが、実技教習の45分前に到着しました。天建寺橋を渡りました。福岡市から広川に行く場合は、いずれかの時点で筑後川を越えないといけないんですが、久留米市内近くで筑後川を越えると渋滞に巻き込まれる可能性がたかいので回避しておおまわりした結果です。

到着後に、前の人の操作を見てイメージトレーンングしつつ待機。三日目の実技教習に入ります。複合動作が入ってきて、1コース10分ほどかかっていました。10分だと、一時間で6周ほどしかできません。また、安全靴がひっかかってジブを伸ばしていたようで、すべての感覚が狂っていました。カトウのクレーンだとACSがあって距離はモニタにでるのですが、その数値がおかしいので発覚しました。バーに荷物を激突させるというていたらく。そのまま一時間ぐでぐででした。

ただ、、だいたいの方針が掴めてきます。100点での通過をあきらめ、何を捨てて実技教習修了をめざすかの方針です。

自分はゆっくり動かしていたので振れは少なかったんですが、タイムが超過していました。即失格の振る舞いは避けて、タイムを犠牲にしつつ通過する点数におさめる方針をとることにします。ただ、その考えは講師に即バレしてしまったのか、リスクをとってタイム短縮を指示されます。まあ、現場だと「安全第一!」と言いつつ、時間短縮が必要になってくるので当然なんですが、自分はクレーンを使って揚荷する予定はいまのところありません。ゲームの中でぐらいです。

しかし、時間短縮を求めると操作の精度もあがるとは分かっていました。訓練をかねて可能な限り速度アップをはかることになります。アクセルを踏むか、レバーを最後まで倒すかです。いずれも、操作にムラがあると慣性の法則で吊った荷物が振れたり暴れ始めます。それを止めるのが振れ取りです。が、振れ取りをしても、実技試験の採点基準が分からないと試験合格はおぼつきません。

振れが自然におさまるまで待っていると時間が足りなくなるため、レバー操作で振れを取るのですが、どれぐらい取ればいいのか? 説明されないとわかりませんでした。

帰路は上峰町から背振を斜めに抜けるルートを取り失敗。自転車だと面白いコースなんですが、自動車だと離合が難しいコースだったのです。紅葉が鮮やかな箇所があったのが救いです。


11月8日 4日目。東脊振トンネルでなく、三瀬トンネルルートを試すことにしました。トンネルを抜けて南下しすぎて、また渋滞につかまります。TOAマート(半額専門店)を見ました。どんだけ回り道してるんだよ! ってな話です。上犬童欠塚など初めて見た地名の場所も通ってためになりました。

六五郎橋を渡りました。毎回別ルートでしたが、市街地を回避するとよいことが分かってきました。北九州行きのときも役立てればなと思います。

到着すると献血カーが来ていました。自分は2ヶ月前に献血していて無理でした。いや、献血できたら献血したのか? ってーと、どうでしょうという感じですが、性格的にしたのではないかと思います。ジュースのめるし。それぐらいの浅慮ぶり。

実技教習はバーに鉄の網が取り付けられて本試験と同じコースになります。横旋回のときに網ギリギリに止めるとタイムが縮まるんですが、寄せきれずにタイムオーバーが続きます。急ぐと荷が振れはじめてアウト。加速と減速のうち、減速時のレバー操作が甘いようでした。8周もできずに時間は修了。

ここで人数が4人のメリットがでてきます。その時間帯は2人しか実技教習を受けていなかったので、そのぐでぐでのあとに一時間ほど自由にしていい時間が設けられました。ここでもう一方と交替で3周ほどコースを回って目処をつけていきます。速度はあげていくが、試験のときはタイムオーバーでもいいから振れを減らそうと思いつつ練習して終わりになりました。つなぎをなめらかにすると時間短縮になることがわかったのでなんとかなりそうというところでその日は終了。

帰路は三瀬峠越えで大回りをして帰りました。ドライブイン一平でカツカレーを食べて、道の駅大和で干し柿ソフトクリームを食べて帰るという寄り道ぶり。

11月9日 5日目。往路、帰路ともに東背振トンネルルートでした。天建寺橋をわたるルート。ナビはスマホを使っていましたが、どうも山越えをした時点でリルートをしたほうが良い結果になるのではないかとわかりました。

到着してクレーンを動かし、一時間すぎる前に仮検定です。なんとかタイムも縮まってきました。

11月10日 6日目。往路東脊振トンネル。帰路、三瀬峠ルート。

10時に到着して前の人が実技教習の試験に合格するのを見届けます。11時から最終日の実技教習がはじまります。ワザマエの上昇幅は小さくなり、タイムオーバーあるけど合格するという状態から変わりませんでした。昼食は事前に購入してきていた、柿の種梅しそ味を食べて、試験中にトイレにいくのを避ける作戦にでます。昼から50分ほど操作して、実技教習の修了試験に入ります。なんとか合格できました。振れはあったけど振れ取りして、タイムを少しオーバーだけど合格範囲内だったのではないかと思います。

最終日に、タイムオーバーぎりぎりの回があったのが思い出深いです。速度をもとめたら荷物が大きく振れました。以降は冒険せずにまとめることに注力した次第です。