Sunday, November 06, 2005

雄牛と熊と欲豚と その16 グロソブ、その本質と損失

グローバル・ソブリン・オープンの毎月決算型と、中央三井外国債券インデックス(年一回決算)を比較したグラフは、基準価額の差がわかりにくくなっていました。今度は、グローバル・ソブリン・オープン1年決算型との比較グラフを見てみたいと思います。青がグロソブで、赤が中央三井外国債券インデックスです。

グロソブ(年一回決算)と中央三井外国債券インデックスの比較

グロソブと中央三井外国債券インデックスの基準価額の動きは、ほぼ同一です。すなわち、グローバル・ソブリン・オープン、通称グロソブの本質は、外国債券インデックスファンドであったと言えます。加えて言うと、外国債券インデックスファンドに毎月の自動解約サービスを付加したもの、それが、グローバル・ソブリン・オープン毎月決算型ということになります。

基準価額の比較グラフを注意して見ると、グロソブが中央三井外国債券インデックスファンドを、ほとんどの期間、わずかずつ下回っています。これは、信託報酬が高いためか、資産規模が約5兆円と大規模になっており運用に無理があるためだと思われます。

他に、投資にかかるコストで表面に出ているものをまとめます。本当にかかるコストは、受益者向けの決算書に書いてあろう、諸般の費用を考慮しないといけません。

中央三井外国債券インデックスファンド
信託報酬(税込) 0.735 %
購入時手数料(参考)(税込) 1.05 %
解約時信託財産留保額 0.10 %

グローバル・ソブリン・オープン 1年決算型
信託報酬(税込) 1.3167 %
購入時手数料(参考)(税込) 1.575 %
解約時信託財産留保額 0.50 %

グローバル・ソブリン・オープンに投資する場合は、中央三井外国債券インデックスファンドに同じ金額を投資する場合に対して、どれほどのロスがあるでしょう。簡単に計算してみます。まず、購入時に0.525%ほど投資金額をロスすることになります。これは、初期投資額のロスですので、投資期間が長くなればなるほど、元本に対する複利の効果で差は広がります。さらに年間の信託報酬で、投資額の0.5817%をロスします。最後に、解約する際に0.4%ほどのロスが出ます。加えて、グロソブの毎月型に投資する場合は、毎月の分配金があるため、さらなる複利効果の減少に見舞われることになります。

というわけで、身内や親しい友人などの身の回りで、「グロソブに投資する」「グロソブに投資した」という人がいる場合は、そこはかとなく、外国債券インデックスファンドへ切り替えるように誘導してあげると喜ばれるでしょう。

グローバル・ソブリン・オープンに投資するということは、外国の債券に投資するということです。外国の債券に投資するというリスクを取る。そうであるならば、他に良い、ロスの少ない選択肢が存在します。できれば、身の回りの方に教えてあげてください。

追補。
ソニーバンクで中央三井外国債券インデックスファンドに投資する場合、解約時信託財産留保額は取られますが、手数料無料で、中央三井外国債券インデックスファンドから中央三井外国株式インデックスファンドにスイッチすることができます。両者の基準価額の変動は、逆の動きをとることが多く、いくばくなりとも負の相関があります。

したがって、債券が長期的に下落傾向にあると判断した場合、株式にスイッチすれば、ロスを少なくできる可能性があります。逆に、株式にしたあと、株式が長期的に下落傾向にあると判断した場合は、債券にスイッチすれば、ロスを少なく出来る可能性があります。上昇傾向になったと判断すれば、またスイッチして戻せばいいわけです。もっとも、基準価額変動の見極めに失敗すると、解約時信託財産留保額を取られたあげくに基準価額の下落に見舞われるという往復ビンタを食らいます。

マネックス・ビーンズ証券でも、ノーロードの投資信託で、負の相関があるものを組み合わせれば、同じようなスイッチがローコストでできる可能性があります。ただし、完全に手動で行うことになるのが残念なところです。

2ch関連スレッド
グローバルソブリンオープンを語れ Part3
グローバル・ソブリン・オープン
【国債】債券一般2【外国債券】
【毎月】毎月分配型ファンド【こづかい】
【アクティブ】投資信託 第16期【インデックス】