Friday, November 04, 2005

雄牛と熊と欲豚と その15 グロソブ 毎月分配型

身内で毎月分配型の投資信託に投資している人間がいることが判明しました。聞くと、銀行で行員のお薦めのまま購入して「毎月お金を貰えて、儲かったナリ」という素敵発言をしてくれました。あきません。その投資信託は、ずばりグローバル・ソブリン・オープン毎月決済型、通称グロソブ。大ヒットしているようです。ちなみに、購入した人は二十代ですので、老い先が短いわけでもなく、年金の補填に投資しているわけでもありません。

毎月分配型は、毎月の分配金に対して税金を引かれる分だけ複利効果を減じて、年一回分配型の海外債券型投資信託に比較して損をしていることになります。一年以内に死ぬ可能性が高く、分配金もきっちり使うあてがある、というので無ければ、毎月分配型よりも年一回分配型の方がお得になります。さらに、グローバル・ソブリン・オープンは、信託報酬も販売手数料も海外債券型の中では高いため、それもマイナスになります。

グローバル・ソブリン・オープンに投資するということは、海外債券に投資するということです。海外債券に対しての値動きを許容して投資するのならば、他に手数料が安く、信託報酬も安い商品があります。しかも、期待リターンは、そう変わりません。具体的には、中央三井 外国債券インデックスファンドです。グロソブとの基準価額だけですが比較したチャートはこれです。

基準価額自体は、分配のあるグロソブが大きく下回ることになりますので、本来は直接の比較はできません。したがって、ここで見るべきは、基準価額の動きです。上下の動きを見れば、きわめて似た動きになっています。同じジャンルの海外債券に投資しているので当たり前なんですが。したがって、手数料と信託報酬、解約時にかかる費用が少ない分だけ、中央三井外国債券インデックスファンドに投資する方がいいということになります。中央三井外国債券インデックスファンドは、毎月分配型の用に運用することもできます。毎月必要な額を、自分で解約手続きすればいいのです。

中央三井外国債券インデックスファンドは、MONEYKit - ソニーバンクで購入することができます。海外債券に投資することを選択する。手数料と信託報酬が安く、そして、もっとも大事なこと、複利効果を存分に発揮させるということも考えると、グロソブに金を突っ込むぐらいなら、上記がおすすめです。今は円安という神風が吹いていますので、海外に投資しているものを日本円に戻すいい機会です。ここしばらくのうちに、もう少し円安は進行するかもしれませんが、グロソブからの離脱をするなら、少なくとも、円高の時よりは、今はお勧めの時期と言えるでしょう。