秋の紅葉が美しく、古来から日本人に好まれた植物です。古名の「アマヅラ」は、茎から甘い液が出ることからつけられた名前です。室町時代の初期までは、早春に茎を切って出てくる液を集め、煮詰めて作った「甘葛煎(あまづらせん)」が貴重な甘味料だったそうです(週刊朝日百科「世界の植物37」による)。
廃れたのは、ほかの甘味に負けてしまったからです。
甘葛煎
幻の甘味料あまづら(甘葛)の再現実験
http://www.nara-wu.ac.jp/grad-GP-life/bunkashi_hp/amadzura/amadzura_hp.html
再現実験も行われています。あと、いま、展示中だとか。
小倉百人一首殿堂 時雨殿(京都府 京都市)で、本学が再現した甘葛煎(あまづらせん)の展示が行われています。
(9/30~12/24)⇒ 好評につき期間延長となりました(2/1まで)
http://www.nara-wu.ac.jp/news/H26news/20140930/20140930.html
数年前の再現実験の時は、自転車用のポンプで夏蔦から樹液を押し出していたようです。
メ-プルシロップ製造工程
http://www.5-grade.com/about/process.html
ハンドポンプだと埒はあきませんので、いまだと、メイプルシロップのようにコンプレッサーかポンプを使っているのかもしれません。
エバポレーター
山の上だと沸点が低いでゴザるの原理を使って沸騰しやすくして樹液を煮詰める作業の効率化を図る、までは以前に読んで知っていました。
http://www.pure-maple.com/about/3_index_detail.php
1980年代の逆浸透といわれる技術の出現は、新たな技術革新でした。メープルウォーターをある程度濃縮させるために逆浸透膜を使うことは、メープル製品に関する法律の精神と基準を遵守しており、精製とはみなされません。メープルシロップの技術革新は凄いというか、どうりで世界に輸出できるわけです。
夏蔦だと安定していないため、毎年毎年スパウトつけてちゅるちゅるというのは難しそうです。そこら辺の山に適当に入っていって、常緑樹に巻きつけて一時期の紅葉化(テロ)をやるついでにあまづらせんの精製というのは難しいようです。